赤本

積算資料の紹介

「全国標準積算資料」(土質調査・地質調査)は,昭和40 年に発行して以来,55 年が経過しました。当初は,歩掛りと価格が併記されていましたが,昭和50 年度からは現在のような歩掛版としての単独発行となり,その後,今回の令和2 年度版を含めて13度にわたる改訂を行ってまいりました。

さて,令和2年度改訂歩掛版は,平成30年度の大改訂を経て,元号も変わり,社会情勢が大きく変化する中での今回の改訂版の発行となります。令和元年6月には建設業の担い手3法が改正されて,いわゆる「新・担い手3法」が制定されました。特にその中の品確法の改正(公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律関係本改正法)では,「公共工事に関する測量,地質調査その他の調査(点検及び診断を含む。)及び設計」が,基本理念及び発注者・受注者の責務の各規定の対象として追加されました。この新・担い手3法の改正の目的には,「災害時の緊急対応の充実強化や働き方改革への対応,生産性向上への取組,調査・設計の品質確保等により,インフラの品質確保とその担い手の中長期的な育成・確保」が掲げられております。これは,これまで「建設関連業」と位置付けられていた「地質調査業」に対して,新・担い手3法の改正の目的達成のためには,地質調査業が重要であるとの認識が込められたものであると理解することができます。すなわち,「平時や災害時に国民の財産を守り,国民の安全・安心な生活を維持するためには,地質調査業の将来に渡る担い手の確保を行う必要がある」ことが法律で位置付けされたといえます。大変に身の引き締まる思いとともに,地質調査の重要性を認めていただいた嬉しさもあります。

このような状況の中,「全国標準積算資料」は国の新しい基本理念を踏まえつつ,発注機関等から寄せられた積算に関するご意見や地質調査業務をとり巻く環境変化などを考慮の上,令和2 年度改訂歩掛版を発行いたしました。

今回の改定ポイントは次の通りです。
① 標準歩掛の点検と見直し(積算の適正化および簡素化)(歩掛補正の追加・拡大)
② 「 3次元地盤モデルの構築」,「高貫入力電気式コーン貫入試験」,「熱中症予防対策費」など新たなニーズや新技術に関わる新規項目の追加
③ 積算Q&Aコーナーの新設

本積算資料の編集にあたりましては,発注諸機関をはじめ関係諸団体,各地区協会積算委員会および技術専門委員会など関係者の方々のご協力を戴きました。ここに深く感謝の意を表します。

今後とも,内容のより一層の充実を図り,実態を反映した適正な歩掛りを策定する所存でございます。

令和2年9月

一般社団法人 全国地質調査業協会連合会
積算委員会