令和５年度改訂歩掛版は、平成30年度の大改訂、令和2年度の小改訂を経て、アフターコロナの新しい様式として、地質調査業の将来に渡る担い手の確保、デジタル化の進展による非接触・リモート化、生産性の向上、政府による賃上げ要請など数多くの課題が課せられるなど、公共工事を取り巻く環境も大きく変わる中での改訂となりました。このような状況の中、「全国標準積算資料」は国の新しい基本理念を踏まえつつ、発注機関等から寄せられた積算に関するご意見や地質調査業務をとり巻く環境変化などを考慮の上、また会員企業に広くアンケート調査を実施することによって実態調査を集約し、令和5年度改訂歩掛版を発行いたしました。

購入申込は以下のページからお願いいたします。

https://www.zenchiren.or.jp/book/

今回の改定ポイントは次の通りです。

• 標準歩掛の点検と見直し（積算の適正化および簡素化）（歩掛補正の追加・拡大，見直し）
• 実勢アンケート調査により諸経費の新たな計算方式のありかたを取り纏め、諸経費計算方法及び諸経費率の改定
• 物理探査の測線長による補正係数の見直し
• 新たなニーズや新技術に関わる新規項目の追加および従来歩掛への新規項目の追加・変更として、「BIM/CM対応」，「モノレール架設・運搬」，「地質リスク検討業務」，「道路防災点検」，「土層強度検査棒を活用した調査・試験」，「２次元・３次元微動探査，１次元微動アレイ探査」，「車両給水費，泥水処理費，試掘，舗装の取壊し・復旧」，「安心トイレ」などを新設・改訂

（積算資料（赤本）とは？）

　私どもはかねてから「適正価格による受注」が、業務の的確な履行にとって極めて重要なことであり、ひいては、地質調査業の健全な発展に寄与するとの自覚のもとに「適正価格による良い成果」により国民の安全・安心な生活の維持に大きく貢献することを目的に、全地連の重要事業として『全国標準積算資料 （土質調査・地質調査）』を刊行してまいりました。

　積算に係る事業は、昭和40年に積算資料の初版を刊行して以来、5年毎の大改訂、その間の小改訂を経て、より実勢を反映した客観的な資料を作成し、全国各発注機関の積算担当者の参考に供してまいりました。この積算資料は、地質調査の積算と共に、その技術水準を維持するための啓発書としての評価を得て、地質調査に携わる人々の座右の書と言えるものとなり、発注機関の方々からも“赤本”との愛称で親しまれるものとなりました。