全地連 現場技術者 支援ウェブサイト

全地連現場技術者支援ウェブサイトについて

現場作業に役立つ情報とは

以下の各情報から構成されています。
1. 技術フォーラム論文で発表された「現場作業に役立つ情報」。
 2002年以降に実施された全地連技術フォーラムの論文集は,全てウェブで公開されています。
   全てのフォーラム論文集の閲覧はここから閲覧できます。
  事務局では,「工夫」や「効率化」などをキーワードとして,全ての論文を対象とする検索を実施したところ,40編の論文が抽出されました。
  公開にあたっては,利用者の利便性を高めるために,以下に示す2種類の検索機能があります。
  ☆パターン検索: 現場での工夫,活用事例,利用事例,ポイント・ヒント,効率化     
  ☆現場用語検索: 仮設,カメラ観察,空洞調査,現地踏査,孔内検層,地下水調査,トータルコスト,など102用語を事前登録

2. 現場(ユーザ)から提供された情報  ⇒現在整備中です。

労働災害データベースで公開されている「ボーリング作業」の労災事故について

 厚生労働省から公開されている2種類のデータベースを引用して再構築した「ボーリング作業」に関する労働災害情報です。
1.労働災害事例: 死亡災害や重大災害などの事例について、発生状況や発生原因そして対策をイラスト付きで紹介されています。 
 支援ウェブサイトでは,最下表の「アクシデント(レベル4と5)」に該当する ボーリング作業に関する死亡事故と重大事故合わせて5件の事例 を収録しました。

2.労働災害(死傷)データベース(以後,労災DB): 平成18年から平成26年までに発生した休業4日以上の労働災害のうち,災害発生年ごとにおよそ1/4を無作為抽出した個別事例で,最下表の「アクシデント(レベル3b~4)」に該当します。
 支援ウェブサイトでは,ボーリング作業に関する103件の労働災害の事例 を収録してあり,以下に示す2種類の検索が可能です。
  ★災害パターン検索: 一人不安全,二人意思乖離,誤動作,不安定作業,回転巻込れ,回転強打,挟む,資材落下,櫓・機械転倒,など
    パターンの区分は,全地連『ボーリング作業のための安全マニュアル(H25年1月) P25.表 2.3.1』を採用しました。
  ★キーワード検索 : 自由入力ができますが,以下の各カテゴリー中の事前登録キーワードから選択することもできます。
   ☆作業の種類: 調査ボーリング,工事ボーリング,井戸ボーリング,など9種類
   ☆負傷の部位: 死亡,重傷,頭,肩,手(腕),手指,など16種類
   ☆事故の型 : 切れ,激突,高温,こすれ,墜落,転倒,転落,倒壊,など15種類
   ☆事故の起因: 足場,歩み板,一般動力機械,運搬機械,仮設物,環境,など24種類
   ☆機械用語 : 足場,ウインチ,ウインチドラム,ウォータースイベル,など69種類

 事故原因(概要)を視覚に訴えるために,「安全とヒヤリ・ハット情報」を提供するページでは,安全マニュアル[ボーリングマシン]に掲載されているイラストを引用しました。 災害パターンに最も近い内容を持つイラストを選択したつもりですが,必ずしも一致しているとは限りません。

 下表は,103件の労災DBを使用して,「負傷部位」と「災害パターン」の出現率(重複計数)を計数した結果です。
 負傷部位では,手指の損傷が56%と半数を超えており,次いで手(腕)となります。
  ⇒ ボーリング作業では,手(腕)と手指の損傷が圧倒的に多いことがわかります。
 災害パターンでは,「挟む」も56%と半数を超えており,「資材落下」,「二人意思乖離」,「回転巻込まれ」と続きます。

負傷部位 件 数 百分率(%) 災害のパターン 件 数 百分率(%)
手指 58 56.3 挟む 58 56.3
手(腕) 13 12.6 資材落下 21 14.6
7 6.8 二人意思乖離 15 14.6
足(脚) 6 5.8 回転巻込まれ 14 13.6
3 2.9 誤動作 12 11.7
その他 16 15.5 注 カウントは重複。 %は目安。

技術フォーラム論文で発表された安全に関する情報

 2002年以降に実施された全地連技術フォーラムの論文集は,全てウェブで公開されています。
   全てのフォーラム論文集の閲覧はここから閲覧できます
 事務局では,「ヒヤリ・ハット」や「安全対策」などをキーワードとして,全ての論文を対象とする検索を実施したところ,32編の論文が抽出されました。

  公開にあたっては,利用者の利便性を高めるために,以下に示す2種類の検索機能があります。
  ☆パターン検索: ヒヤリ・ハット,安全器具類,トラブル事例と対策
  ☆現場用語検索: 安全管理,運搬,海上ボーリング,高所作業,作業環境,市街地調査,泥水処理対策,ロッド,など77用語を事前登録

 下表は,分類ごとの論文数(重複集計)です。
  ☆分類では,安全器具類に関する論文が52%を越えており,トラブル事例と対策が約44%と続いています。
  ☆安全器具類では「(器具類の)安全性」に関する論文が9編と最も多く,20%弱を占めています。
  ☆トラブル事例と対策では,「事故」報告に関する論文が12編と最も多く,約26%を占めています。
  ☆一方,ヒヤリ・ハットに関する論文は,2編と少ないのが特長です。

分  類 キーワード 発表編数 百分率(%)
ヒヤリ・ハット #ヒヤリ 2 4.3
安全器具類 #安全性 9 19.6
#安全管理 5 10.9
#安全対策 6 13.0
#高所 4 8.9
小 計 24 52.2
トラブル事例と対策 #事故 12 26.1
逸水 3 6.5
泥水 1 2.2
環境 1 2.2
騒音 2 4.3
振動 1 2.2
小 計 20 43.5
合 計(重複) 46 100.0

ヒヤリ・ハットと現場作業における情報のレベル(案)

① 厚生労働省では,「職場のあんぜんサイト」でヒヤリ・ハットの事例を公開しています。 上図はその一例です。
  同サイトでは,ヒヤリ・ハットの事例を,タイトル,業種,作業種類,ヒヤリ・ハットの状況と対策,という項目に分けて記述し視覚に訴えるためにイラストが添えられています。
 現場作業に従事する全ての作業員が,このように未然に防止できた情報を共有して,相互に理解することにより,同種の事故の防止に繋がります。

② 全地連「企画・広報委員会」では,ヒヤリ・ハット情報を下表に示す「レベル0」と「レベル1」に該当する事例と定義づけました。
  ☆レベル1: エラーや掘進装置などの不具合を,未然に防ぐことができた場合 注: エラーとは,ヒューマンエラーのことです。
  ☆レベル2: エラーや掘進装置などに不具合が発生したが,従事者等に被害が無かった場合

③ 現場作業に従事する全ての作業員が,ヒヤリ・ハット情報を共有するためには,その事例を集めることが極めて重要です。
 ヒヤリ・ハットを体験された方は,それを事例として報告して下さるようお願いします。
 個人名,メールアドレスと所属会社名は登録しませんので,安心して投稿されるようご案内致します。

区 分 レベル 内         容
ヒヤリ・ハット 0 エラーや掘進装置などの不具合を,未然に防ぐことができた場合
1 エラーや掘進装置などに不具合が発生したが,従事者等に被害が無かった場合
インシデント 2 従事者や第三者(以後,従事者等)に検査の必要性が生じた場合
3a 従事者等に軽微な治療や処置(消毒や湿布など)が必要となった場合
アクシデント 3b 従事者等に濃厚な治療や処置(予定外の処置や治療,入院など)が必要となった場合
4 従事者等に永続的な後遺症が残った場合
5 従事者等が死亡した場合